半分

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明け方の帰り道。

電柱に訃報を知らせる張り紙。

享年,六十四歳。
若いなあ。

もしかしたら,自分ももう半分生きたんかな,とふと思う。


あと半分でお別れ。

この世のすべてのことに。

素敵なこともそうでないことも。

この朝日にもお別れ。

鳥の鳴き声にも。

やわらかいベッドにも。

けだるい朝にも。

明日のランチに迷うこともない。

鳴らない電話を待つこともない。

メールの返信を忘れて,罪悪感を感じることもない。

楽しいことを思い出して,
なんとなくあったかい気持ちになったり,

週末の予定をわくわくしながら考えたり,

怒られやしないかとはらはらしたり,

なんとなく悲しくなったりすることもない。


くやしくもない。

楽しくもない。

悩まない。


何も聞こえない,何も見えない,においも味もない,何も感じない。


なにもない。

全部,何もかもがあるのも,あとすこしかもしれない。

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このページは、が2007年4月20日 06:06に書いたブログ記事です。

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